masudamasterのサードブロガー論

b:id:masudamaster(増田虎達)氏がサードブロガー論を増田(はてな匿名ダイアリー)に書いている(全4回)。ブコメにスターを付けているので、なりすましではない。
古参有名ユーザーが増田に複数回に及んで投稿をするのはめずらしいと思うのでまとめてみた。

ブログ論争 個人的まとめ
http://anond.hatelabo.jp/20131209142219
ブログ論争 個人的まとめ2
http://anond.hatelabo.jp/20131210194845
ブログ論争 個人的まとめ3
http://anond.hatelabo.jp/20131211124543
ブログ論争 個人的まとめ4
http://anond.hatelabo.jp/20131211152656

長文なのでほんの一部に過ぎないが、興味深い点としては、
・サードブロガーとは承認欲求が強く、ブログを書く必要の無い人たち
・自分の文章を持たず、表現に対する姿勢が甘い。お喋りのようなもの
・悪意など持っておらず、自分そのものだから傷つきやすい
・個人を公表して、それから情報のやり取りを始める、全く違う価値観を持つ
といった内容だった。

(追記)ブックマークを見なおしていたら、氏のサードブロガー論の核ともいえるようなブックマークコメントがあった。これから上記のリンクを読む人は参考にしてほしい。

皆がはてなのブログの質の低下をヒシヒシと感じている(もう誤魔化せない)。内発的動機の無い人間(健常者)が、コミュニケーションとお金のためだけにブログを書いてるのだからクオリティが落ちて当然。

はてなブックマーク - 増田虎達のメモ帳 - 2013年12月7日

トゥルーマンショー」という映画の中で、親友だと信じていたのがじつは役者だったという話を提示して、アフィリエイトが蔓延するとインターネットがそんな感じになると危惧している。ブロガーが商売で書いているのか本心なのかわからないという問題だ。プロブロガーであるイケハヤ氏に対する批判にも通じる。
Googleアフィリエイト性善説を信じているが、masudamaster氏はアフィリエイト性悪説ともいえる立場に立っている。つまり金の力でインターネットが変わってしまうという見方だ。レーシックのSEOが強すぎて問題となっていることなどはその典型だろう。

また、サードブロガーに対する個別のコメントもある。
例えば「ひきこもり女子いろいろえっち」は悪質な釣り師で自意識を見せない「熟練ソープ嬢」、「女版村上春樹」だと書いているが、それだけの才能があるという意味で褒め言葉にも受け取れる(言葉は悪いが、氏のダイアリーを読むとソープランドに悪意を持っていないことがわかる)。

彼女のネット上での女体をチラつかせた立ち居振る舞い(サードブロガーとは逆に、自意識を絶対に出さない)をもって、

私は彼女を「熟練ソープ嬢」「女版村上春樹」と罵りました。

しかしそれでも、彼女に「これが私の素だよ?」と返されたら私はその言葉を信じるしかありません。

ブログ論争 個人的まとめ2

最近ソープランドにハマりました。女の子とお話するのはインターネットやるよりも百倍楽しいです。ソープ嬢はインターネットをやりません。楽天AmazonYoutubeしか使いません。僕はそれを凄く褒めます。それでいいのです。

2012-05-17 -   ゆとり森

最後に結論として、サードブロガーは「コミュニケーションの種類が根本から違う」と書いているのは少し残念だった(トピシュ氏もバッサリと切っている)。一癖も二癖もあるブロガーたちを一つにまとめるのは無理がある。今は空気が違うから衝突もあるが、いずれ融和していくのではないかと思う。

今までブコメからかいま見えていたmasudamaster氏の考え方が理解できた。
さらにmasudamaster氏のはてなダイアリーの過去ログを読んでみたところ、どういった心象でブックマークにコメントをしていたのかわずかながら見えてきた。
例えば「まつたけのブログ」について、自意識とかキャラ作りとかの次元を超えた悲鳴に聞こえると書いているのは、かつて似た立場にいたから読み取れるのではないかと思った。孤独と挫折、承認欲求の満たされないネットウォッチ。
いくつか心に残った、masudamaster氏のはてなダイアリーのリンクを貼っておく。

2012-05-17 -   ゆとり森 老兵は死なず、ただ消え去るのみ。
http://d.hatena.ne.jp/masudamaster/20120517#1337220322

2010-01-21 -   ゆとり森 ネットの一般化が嫌い。
http://d.hatena.ne.jp/masudamaster/20100121#1264094282

2009-12-14 -   ゆとり森 脳みそ 常に震わせて 荒々と運命に背く もういっそ 俺に生まれたなら 君をぶっ生き返す
http://d.hatena.ne.jp/masudamaster/20091214#1260763075

できれば増田ではなく、ブログで読みたかった

もちろんmasudamaster氏のようにブックマークのコメントでも増田でも自己表現はできる。
しかし増田に4回に分けて(それも続きのリンクを貼って)投稿するのなら、自分のブログに書いてほしかったと思った。テキストを愛する者ならば、なおのこと。

初回の投稿では、体調わる子氏がサードブロガーの悪しき流れに飲み込まれたと分析し、その対比としてコンビニ店長の文章について触れている。

私はときおりコンビニ店長が恋しくなる。彼に対する好悪はともかくとして、彼はきちんと文章を書けていた。

また彼の「書かざるをえない」情熱も伝わってきたし(晩節はそうでもなかったけど)、コンビニから世界を眺めるあの視点は我々にとってとても楽しかった。


ああいう貴重なブログ読み体験を我々はできなくなってきている。

ブログ論争 個人的まとめ


そんなことを考えながら寝たら、夢にmasudamaster氏が出てきた。

「……(泣いている菩薩峠=masudamaster)」
「増田に書いてるようだけど」
「…………」
「匿名ダイアリーに文・masudamasterって書くなら、自分のブログに書くべきだと思う」
「…………」
「面倒な気持ちはわかる。でも名乗って増田に書くのはおかしい」
「…………はてなダイアリーならある」
「しばらく更新していないし、最近は2chまとめ記事しかない」
「…………」
「自分語りをする必要はない。誰もが自分語りをできるわけじゃない」
「…………」
「それにコンビニ店長がもし帰ってきたとしても、以前と同じようには書けない」
「…!」
「あなたが増田に書いているように、ネットは変わっていく。はてな村だって変わっていくだろう。mixiアメブロのようになれ合いを求めている人もいる」
「…………」
「乾いた雑巾みたいなブロガーがいれば、あなたのように水が滴り落ちているスポンジみたいなブックマーカーもいる」
「…………」
「あなたはテキストを愛している」
「…………その人の「真」が出た文章には価値がある」
「ブログを書けば、また一つネットが違う方向に変わる」
「…………」
「事情があってブログを続けられなくなるブロガーもいるし、炎上してブログが書けなくなるブロガーもいる。テキストを読みたい気持ちがあるのなら、書く側にならなければならないときが来る。順番がいつかは回ってくるんだ」
「…………」
「ウォッチャーは目が肥えているから理想が高い。でもブログは本当はもっと自由なものだ。突然、ロシア人の美少女が百合をする小説を書いたっていいし、ブログで死ぬ死ぬ詐欺をしたっていい。プロフィール欄にショートストーリーを書いたっていい」
「…………」
「じゃあブログ名を考えようか」
「………………………………」
「とある増田のはてな目線」
「…………ラノベか」
「やはり俺のはてなブログは間違っている」
「…………またラノベか」
「増物語」
「…………西尾維新か」
「増田虎達、ブログはじめるってよ」
「…………桐島か」
「ひきこもり増田虎達、いろいろヲッチ」
「…………はてな女子か」
「増田で書けと言われるようなブログがあったっていいんじゃないかな」
「…………おまえはブログではなく増田で十分だ」
という夢を見た。